肥満

Q1:わが国では肥満症はどのくらいみられますか?
A1:1999年の国民栄養調査によると、15歳以上の肥満者は、男性で25.1%、女性で20.6%でした。肥満者の数は約2300万人で、男性は1300万人、女性1000万人です。
Q2:肥満症はどういう状態をさすのですか?
A2:身体の内臓や皮膚の下に余分な脂肪が多くついて体重が増加している状態をいいます。原因は栄養のとりすぎと運動不足です。
Q3:ボディ・マス・インデックス(BMI)とはなんですか?
A3:肥満症か否かを調べるために世界的に利用されています。ボディ・マス・インデックス(Body Mass Index:BMI)は計算して求めます。BMIの求め方は、BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の式で求めます。正常範囲は22~24です。日本肥満学会の定義では、BMIが25以上を肥満症と判定しています。
 BMIによる判定は次のようになります。
   18.5以下   やせ
   18.5~24.9  正常
   25.0~29.9  軽度肥満
   30.0~34.9  中等度肥満
   35.0~39.9  高度肥満
   40.0以上   超高度肥満
Q4:肥満の目安はなんですか?
A4:BMIだけでは肥満を正確に診断できません。体脂肪率を調べて男性で20%以上、女性で30%以上の場合は肥満と判定します。
Q5:内臓脂肪型肥満症は医学的にはどのようにして診断されますか?
A5:ウエストが男性で85cm以上、女性で90cm以上であれば腹部CTスキャン検査を行い画像診断をします。内臓脂肪(おへそ回り)の断面積が100cm 2以上であれば内臓脂肪型肥満と診断します。
内臓脂肪型肥満になると糖尿病、高血圧、高脂血症、脳卒中、心筋梗塞などにかかりやすくなります。
Q6:肥満症に合併する病気はどのようなものがありますか?
A6:糖尿病、高脂血症、脂肪肝、痛風、高血圧、動脈硬化症、心臓病、脳血管障害、睡眠時無呼吸症候群、膝関節症、胆石、月経異常などです。
Q7:肥満症の治療法はどうすればよいのでしょうか?
A7:食事療法、運動療法、心理療法が基本です。摂取エネルギー量を段階的に減らすことが必要です。脂肪や炭水化物をとり過ぎないようにして、野菜は1日300gを摂取しましょう。有酸素運動で脂肪を燃焼させることが必要です。この他、薬物療法や外科治療法もあります。わが国での薬物療法は食事療法、運動療法で効果が不十分な高度肥満患者(BMI:35以上)の場合に、食欲抑制剤マジンドールが保険適応(1992年)になっております。
 米国では、肥満症患者の1%に外科治療法として胃切除が実施され、効果をあげております。胃切除すると12~15ヵ月間は減量し、その後、体重は一定となります。最近では腹腔鏡下手術により、胃を縮小するバイパス手術が行われるようになりました。しかし手術をすると、手術部感染、創傷部ヘルニア、横隔膜下膿瘍、胃液のもれ、肺炎、無気肺、腹膜炎などの副作用があります。

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