血痰・喀血

Q1:血痰・喀血とは何ですか?
A1:血痰(けったん)と喀血(かっけつ)の違いは、痰の中の血液量の違いによります。血痰は痰に血液が混じっているという程度の軽いものをいい、喀血は大量の血液が出てきたものです。言い換えますと、気管や気管支の粘膜が傷ついたり、肺が破壊されたりして出血した血液が、痰とともに出てきたものです。血痰や喀血の原因としては、セキ刺激、気管支の粘膜病変、気管支粘膜の萎縮や炎症、異物による出てきた刺激や損傷、肺の損傷などが原因です。
Q2:血痰・喀血をきたす病気にはどのようなものがありますか?
A2:血痰・喀血をきたす頻度の高い疾患としては、気管支拡張症、副鼻腔炎、肺結核、肺癌などです。この他、肺炎、肺化膿症、うっ血性心不全、肺真菌症、肺塞栓症、胸部外傷、気道異物、喉頭癌、出血性血液疾患なども考慮すべきです。
Q3:血痰・喀血と消化管出血との鑑別はどうするのですか?
A3:胃や食道などの消化管出血は吐血(とけつ)と呼ばれます。喀血の場合は、泡状でアルカリ性の赤い血が混じっていることが多いのに対し、吐血は吐いたものの中に胃内容物が混じるため、胃酸で酸化されて血液の色が黒っぽくなります。
Q4:血痰・喀血の検査はどのように行いますか?
A4:病歴、胸部X線、喀痰検査、気管支鏡検査、胸部CTなどで診断が比較的容易につきます。肺塞栓を疑う時は、肺血流シンチや肺血管造影を考えます。
Q5:血痰・喀血の治療はどのように行いますか?
A5:出血の原因と原因疾患を発見して対応します。

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