Q1:下痢の種類
A1:下痢には、急性下痢と慢性下痢があります。急性下痢には水様便、軟便・泥状便、粘血下痢便、血性下痢便の4種類があります。急性水様便の場合は細菌性大腸炎、ウイルス性大腸炎、抗生物質による大腸炎、憩室症などを考えます。急性軟便・泥状便の場合は偽膜性腸炎を考えます。急性粘血下痢便の場合は、偽膜性腸炎と潰瘍性大腸炎を疑います。急性血性下痢便の場合は、抗生物質による出血性大腸炎、虚血性大腸炎を考えます。
慢性下痢の場合にも、水様便、軟便・泥状便、粘血下痢便、血性下痢便の4種類があります。慢性水様便の場合は、過敏性大腸炎、消化管アレルギー、内分泌腫瘍を疑います。慢性軟便・泥状便の場合は、クローン病、吸収不良症候群、蛋白露出性胃腸症、多発性小腸潰瘍、盲系蹄症候群などです。慢性粘血下痢便の場合は、潰瘍性大腸炎、アメーバ赤痢、腸結核などです。慢性血性下痢便の場合は、血管性病変および放射線照射性大腸炎が考えられます。
Q2:下痢の原因
A2:急性下痢の原因は大腸菌、赤痢菌、腸炎ビブリオ菌、ウイルスなどによっておこります。急性の大腸炎(感染性下痢)や、食べ過ぎや水・アルコールの飲み過ぎ、消化不良性下痢が原因となります。慢性下痢の原因は消化吸収障害、腸の慢性炎症、大腸粘膜の過敏、アレルギー性下痢などがあります。
Q3:下痢の対策
A3:急性下痢が激しいとき、体の水分が不足しますので補給します。下痢による脱水症状を防ぐために、緑茶やスープなど温かい水分を摂る事も必要です。下痢がおさまった後は、消化の良いおも湯やおかゆなどの流動食から始めるようにします。2~3日は、腸内細菌はまだ整っていないので油の強いもの、香辛料の強いもの、アルコールは避けます。下痢の予防には、食べ過ぎや飲み過ぎを避けるなど、日頃の食事に気を付ける事が必要です。
Q4:下痢の検査と診断
A4:下痢の便をスライドガラスに塗抹してグラム染色で菌の有無を確認します。更に便を培地に植えて発育した菌の種類を同定することにより原因菌を見つけます。
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