腹痛

Q1:腹痛の程度と病気の関係
A1:うんうんうなって我慢できないほどの痛みと、お腹がカチカチ、パンパンに張っている場合を特別に急性腹症と呼び、重症な病気として扱います。例えば、急性虫垂炎、腸重積、腸捻転、卵巣や睾丸捻転、ヘルニアの嵌頓、穿孔性潰瘍、急性膵炎、大動脈瘤破裂、腹膜炎、子宮外妊娠の破裂、絞扼性腸閉塞、胆石、腎結石などです。すぐ治療を開始しなければなりません。嘔吐、下痢、発熱、腹痛などの症状がそろっている場合は、サルモネラ、キャンピロバクタ、病原性大腸菌などの細菌性腸炎の可能性を疑います。熱がない場合はウイルス性腸炎である可能性を考えます。発熱を伴うなら、急性虫垂炎の可能性、血便を伴うなら、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、メッケル憩室炎などを疑います。

Q2:腹痛と食事との関係
A2:食前に痛むなら胃・十二指腸潰瘍、食後に痛むなら食物アレルギー、胆嚢炎、膵炎などの可能性があります。生ものなどを食べた後から腹痛が始まれば、食中毒の可能性があります。

Q3:腹痛の場所と病気との関係
A3:お腹のどの部分が痛むのかは重要な情報です。右下腹部痛で急性虫垂炎、右上腹部痛で胆石、胆嚢炎、肝炎、上腹部痛では胃炎、胃・十二指腸潰瘍を考えます。腰背部痛では尿路結石、水腎症、膵臓癌などを疑います。おへそのまわりの腹痛は、重症の病気であることはまれです。

Q4:腹痛の検査
A4:急性虫垂炎や細菌性腸炎を疑った場合には、血液中の白血球数やCRP、血沈などの炎症反応を調べます。細菌性胃腸炎の疑いがあれば、便中の細菌を見つけるため、便を培養します。血液検査で肝臓、胆嚢、膵臓の状態を調べます。急性膵炎では、血液・尿中のアミラーゼやリパーゼなどの酵素を調べると増加しています。腸閉塞や尿路結石を疑う場合は、腹部のレントゲン写真をとって、腸内のガスの分布や尿路の石の有無を確認します。胃や腸を内視鏡で覗いたり、腹部のX線検査やCT検査をすることもあります。

Q5:腹痛の治療
A5:患者さんの腹痛を除去し、腹痛をきたすもとの疾患の治療をするのが目標です。コリオパン、ブスコパン、ペンタジン、レペタン、MSコンチンなどを重症度に応じ用います。

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