腹水

Q1:腹水とは
A1:腹腔内に貯留した体液を腹水といいます。腹水の性状によって、滲出性の腹水、乳糜腹水、漏出性の腹水、血性腹水、粘液性腹水などに分けられます。この他、性状の違いにより漏出液(transudate)と滲出液(exudate)に分けます。漏出液の成因は機械的なもので、門脈圧の上昇、血漿膠質性浸透圧の低下、腎での排泄能の低下や再吸収亢進などによります。滲出液は腹膜の炎症やがんの腹膜転移などが原因でおこります。

Q2:腹水を起こす病気
A2:血性腹水では悪性腫瘍(肝細胞癌、癌性腹膜炎)、子宮外妊娠破裂、結核性腹膜炎、滲出性腹水では細菌性腹膜炎、膵炎、漏出性腹水では肝硬変、うっ血性心疾患、ネフローゼ症候群、乳び性腹水では悪性腫瘍、フィラリア症、外傷、粘液性腹水では中皮腫、腹膜偽粘液腫、胃・大腸膠様腺癌などを考えます。

Q3:腹水の検査
A3:腹水の鑑別には、腹水穿刺液の検査(比重、総蛋白、リバルタ反応、フィブリン、細胞分画)で漏出液か滲出液かを鑑別します。この他、腹水の血液検査(白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値)、腹水の生化学検査(LDH、総コレステロール、中性脂肪など)、腹水細胞診を行い原因を明らかにします。腹水培養(好気性菌、嫌気性菌、好酸菌)及びグラム染色により原因菌を証明します。胸部X線、腹部超音波検査、腹部単純X線検査、腹部CT検査などを行います。

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